
春になると動物病院では犬の狂犬病やフィラリアの予防シーズンにはいります!
フィラリア予防はなぜ必要なのでしょうか。
うちの子は室内で飼っているから大丈夫・・・ほんとうにダイジョウブ?
7年前に我が家にいたフィラリア症にかかった犬のお話をしたいと思います。
真っ白の中型犬との出会い
ある日、知り合いの方から、こんな子いるんだけどどうかなと連絡がきました。
そこに写っていたのは、保健所の片隅で、大きな体とは裏腹に不安で寂しげな表情を浮かべる真っ白の犬でした。
その表情がなんとも切なく、なぜか気づいたら160km先まで会いにいき、気づけば家族として迎えることとなっていました。
生活してみると・・・
この子は、5~6年放浪を続けていたこともあり『フィラリア陽性犬』。
私が幼少期のころ飼っていた犬が同じようにフィラリア陽性でしたが、絶対にお薬も飲まない犬だったので諦めていたところ、フィラリアの寿命が先につき(約5年)、その子は15歳まで元気に暮らしました!
そんな経験と、犬も元気だったので、今回も乗り越えてくれるはずと信じて疑いもしませんでした。

この子の性格はというと、小さい子にどんなにいじられても絶対に怒らず、とてもとても優しい犬であることが見えてきました。また、小さいクッションに丸くなって寝てみたり、はじめてもらった犬用ガムをくわえて家中隠す場所をさがしてウロウロする姿や、猫とも仲良くしたりと可愛くてユニークな姿に、家族中が夢中になるのにはそう時間がかかりませんでした。

しかしそんな中、治療はしていたものの病魔が進行・・・
5か月目の違和感
家にきて5か月が過ぎたころ、疲れやすくなり、だんだんお腹がふくらんできました。
『まずい・・・!!』
腹水が溜まり始めたのです。
フィラリアは蚊が運んできて、刺されると幼虫が血管内に入り、体内で成長して成虫が最終的には心臓に住み着き様々な症状を引き起こす病気です。
この子は放浪期間が長かったこともあり、大量に感染しており、心臓のエコーでもたくさんの虫体を確認できるほどでした。こうなってしまうと手術しか方法がありませんが、心臓もすでに悪く麻酔に耐えられる体力がない状態でした。
そこから、腹水を抜いたり、心臓薬の使用など色々な内科治療をして残された毎日の時間をそれはそれは楽しそうに、幸せそうに、過ごしてくれました。

別れと学び
細々とでも、好きなものを食べたり自分の足で歩きお庭で一緒にすごしたりする穏やかで幸せな時間が過ぎていき、12月24日クリスマスイブに、ついにお迎えがきてしまいました。。。
我が家にきてから10か月が経とうとしている頃です。家族が少し目を離した間に、それはそれはとても静かにすっと逝ってしまいました。
家族にその瞬間は見せない、なんともこの子らしい『旅立ち』でした。
放浪生活を知っている方々は、最期の時間を人間の愛情をたっぷり受けて幸せだったね、そのために(私のところ)来たんだね、と皆さん言ってくれましたが私たち家族はまだまだこれからでした。
苦労して寂しい思いをしてきた分、いっぱい甘えさせていっぱい笑ってもっともっと一緒に暮らしたかったです。

フィラリア症は薬によって防げる病気です。
大切な子を守るため、どうか皆様も予防を忘れずにスタートしてください。
コメント