猫の看取りなんて考えたくない・・!
往診をしておりますと、動物たちの看取りに携わらせていただくことがとても多いです。
本当に皆さま様々な物語があります。
ペットたちが元気な時はそんな時期がくるなんて想像もできなければ信じたくない。。なるべく目を背けたい、、
でもいつかくるその時期、、どのように向き合ったらいいのでしょうか。
21歳で旅立った猫さんと飼い主さまの強い絆、そして往診させていただくことで『看取り時間の向き合い方』をたくさん学ばせていただきましたのでご紹介したいと思います。
マイペースに暮らす21歳の猫は沢山の病気を抱えているが・・・
Kちゃんは、21歳という年齢を感じさせない、グレーと白の貴公子のようなきれいな柄の男の子の猫さんでした🐈

とても性格も穏やかで同居猫にも人にもフレンドリーでしたが、癌やホルモン疾患、心臓病など多く持病があり、動物病院にいくとストレスで倒れたり体調が悪くなるため、2年前から往診にて定期的な検査と可能な範囲の治療をしておりました。
Kちゃんは、検査結果からは信じられない程、いい意味で『普通』の猫らしい生活をし、いくといつも「ニャ、ニャ」とたくさんお話してくれました。辛そうな様子はみたことがありません。
それくらい自分をコントロールできる猫だったように感じます。
しかし病気の進行、時間の経過は残酷で、最期の数か月は胸に水が溜まるようになり、体重もどんどんやせ細っていきました。
虹の橋を渡った猫・・その時のご家族の心情が尊い
そして飼い主様の手厚い看病の中、静かに息を引き取りました。。。
飼い主様はとても冷静で以下をお話してくださいました。

Kちゃんをお世話できることが幸せでした。お世話させてもらえてる時間すべてが尊く、こんなに愛情をくれてありがとう。という思いで過ごしてました。少しでもお世話して助けてあげられることで自分が癒されました。
どんなにKちゃんを大切に思っていたか、そしてKちゃんの飼い主様への愛情もどれだけしっかり伝わっていたか、すべて詰まっている言葉に尊さを感じ胸がとても熱くなりました。
自分も一飼い主として、動物たちを見送るときに感謝よりも後悔や喪失感で心がいっぱいになります。
でも旅立つ動物たちは残された家族がそのような気持ちになることを望んでないかもしれません。
Kちゃんご家族とは特に長い時間携わらせていただき毎回検査後に、現在どういうことがおきているのか、どうしたらより過ごしやすくなるか・・飼い主様も一緒に頭をひねって、一緒に作戦をたててくださいました。Kちゃんもそれに応えるかのように、毅然としていました。
往診が少しでもお役に立てたのであれば幸いです。
飼い主様のこの考え方はとてもとても深い学びとなりました。
最期の時間はかけがえのない時間
ペットの最期の時期は、悲しみや不安も多いのですが、その分だけ愛情と感謝が詰まったかけがえのない時間でもあります。
目をそむけたくなるその時間を心温まる、愛おしい時間となるよう過ごすことができたらこんなに素晴らしいことはないなと思いました。

Kちゃん、飼い主様、本当にありがとうございました。
これから看取る方、これまでの看取りで何らかの思いを抱えていらっしゃる方の少しでも参考になりましたら幸いです。
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